この時期に街を歩いていると頻繁に見かける選挙ポスター。
今年の参院選挙まであと2日!投票日は7月21日、みなさんお忘れずに!
そんな選挙ポスター、ちょっと変わった紙が使われているのをご存知でしょうか?
選挙当日まで野外に掲示されているポスターの多くは、合成紙ユポ

ふつうの紙とは違い、
ポリプロピレン樹脂からできたユポ

雨にも負けず、暑さにも負けず…選挙を応援する影の立役者ですね。
ユポだけでなく、いわゆる普通の紙とは違い、プラスチックやフィルムを使って
紙にはない強度・特徴を持つ紙を『合成紙』と呼びます。
紙って木からできるものだけじゃあないんですよ。にやり
そんな合成紙ユポ

わたしも愛読している『デザインのひきだし』の津田さんと
これまた大ファンであるコスモテックの青木さんとの間である『実験』の計画が!
その現場にわたしもこそっと潜入させていただきました。
その実験というのが…ユポ

紙の表面に凹凸を表現する加工のひとつで、
以前にも紹介させて頂きましたが、パチカやOKフロートなど
この加熱型押しすることでその部分が半透明に変化する紙もあるのです。
紙×加工が魅せる・うっとりイルージョン…!
このパチカ・OKフロートに共通するのが、どちらも『特殊な合成樹脂が含まれた』紙だということ。
加えて、この実験のきっかけとなったのがQパーという合成紙。
今はもう廃番となってしまいこの世にない紙なのですが、
津田さんいわく、これが加熱型押しですっけすけに半透明化する紙だったらしいのです…!
Qパーも合成樹脂を主原料の合成紙。これは…ユポ

とはいえ、合成樹脂と熱加工は実はなかなか難しい関係。
200度以上の熱を加える加熱型押しは、
樹脂の種類によっては熱でくちゃくちゃに溶けてしまう可能性もあるのです…
実験は加工温度を調節しながら、慎重に行われました。
薄いユポほど熱を通してしまうので、くっついてしまうハプニングも…!(写真右)
ユポの下に紙やフィルムを挟んだりと工夫を重ねながら様々な種類のユポを実験。
厚み・種類違いで全14銘柄37種(!)の大実験となりました。
ほとんどの銘柄はあまり変化は見られず…
型押し部分に若干ツヤが出るような仕上がり。
しかし!! 実験の末、何種か表面に変化のあらわれた銘柄が!!!
@WKF340 ユポ


特殊な吸着層が施されていて、シールの様な粘着剤不要で貼って・はがせるユポ。
型押し部分に凹みと透け感が!
AWCFA125/200 コンシールユポ

不透明度100%の透けないユポ。
これは強敵か…と思いきや、なんと加工部分がグレーに変色!
BWMF120 メタリックユポ

べにこイチオシ!加工部分の艶が消えて擦ったような風合いに!
ギラギラの表面に渋い雰囲気が◎
当初の『透ける』という目的はなかなか成果がでませんでしたが、
予想もしなかった新しい見せ方を発見する事ができました。
機能面で人気のユポ

また、今回の実験を通して様々な特徴を持ったユポ

大家族ユポ

デザインや加工で数限りない表現ができる!!胸が本当に熱くなる実験でした。
グラフィック社津田さま、コスモテック青木さま。
そしてご協力頂いたユポ
